「当たり前」とは?異文化から学んだこと

1番の教訓

スペイン生活が4年目を迎えた。

異国に暮らしてみて
1番教訓になったこと
それは

当たり前は、
当たり前じゃない

これに尽きる。

言い換えれば
常識は常識ではない。

このことに気付かされる毎日である。

今回は、

そんな
「当たり前は当たり前じゃなかった」
「常識は疑ってもいいのかもしれない」

バルセロナで暮らしてみて
そう感じたあらゆる出来事を
メモしていたので

ここにまとめてみたいと思った。

*あくまで私の主観なので悪しからず。

店員さんのタイミングが全て

とにかく待たせない日本

コンビニでも、
「2番目にお待ちのお客様どうぞ!」
と言われることがある日本。

とにかく少しでも待たせてはいけない。

そんな雰囲気を感じる。

一方スペインは…

店員さんのタイミングが全て。

飲食店だろうがスーパーだろうが
デパートだろうが、
大事なのは店員さんのタイミング。

レストランで席について
「すみませーん!」と店員さんを呼ぶことは
ほとんどない。

店員さんが来るまで待つのだ。
仮に呼んだところで
すぐには来ない。
彼らのタイミングで来る。

お肉屋さんで
私の存在に気づいた店員さん。
ショーケースの値札の位置を直すとか、
後回しにできる作業でも手を止めないので
終わるまで待つ。

店員同士のおしゃべりであろうと、
話が終わるまで待つ。

デパートの服売り場のレジで
服を持ってレジの前に立っていたのだが、
別の作業をしていて
なかなか対応してくれず待つ。

長蛇の列ができていても
レジは1人。
隣のレジでは別の店員さんが
服を畳んでいたりする。

スーパーでも、
やっと私の番がきた!と思ったら
ごめん定時だから帰る、と去った人もいる。

日本では考えられないことばかりだが、
もうすっかり慣れてしまった。

待てば済むだけのことで、
特に困ることもなくのんびり構えている。

公共交通機関にて

静かでなければいけない日本

日本では、
電車やバスに乗る際、
マナーモードを推奨される。

車内で通話しようものなら
視線を浴びてしまうだろう。
大きな声でのおしゃべりもしづらい。

とにかく静かであるべき場所なのだ。

一方スペインはというと、
マナーモードなんてまったく求めらていない。

あと、なぜだか

着信音が異常にデカイ

離れたところにいる人の着信音が
どこからともなく聞こえてくる。

家(集合住宅)にいても、
他の家から着信音が聞こえてくるくらいだ。

そしてみんな着信音にこだわりがないようで、
誰の着信音も同じ。

別に迷惑でもなんでもないけど、
音デカイなぁってつい思ってしまう。

そして通話についてだ。

おしゃべり好きな人が多いようで、
1人でいる人は誰かと通話しているのをよく見る。

あと、電話を耳に当てて話す人がほぼいない。
コードレスイヤホンをつけているので、
バルセロナに来たばかりの頃は、
ブツブツ独り言を言っている人が
たくさんいるのかと思った。

道を歩きながらはもちろん、
電車やバスの中でも大声で通話している。

なんならスピーカーをオンにしていて
電話の相手の声まで丸聞こえ。

バスの場合、
運転手さんは好きな音楽やラジオを聴いていたりする。

静かでなければならない、
というルールはない。

バス

日本では、
丁寧すぎるほど丁寧な運行をしてくださる。

「発車しまーす。」
「右に曲がりまーす。」
「停止信号です。」
「次停まりまーす。」などなど、

運転手さんは常にアナウンスをしながら運転。

一方こちらでは
そんなアナウンスはまったくない。

そして日本の運転手さんが
本当に親切だなぁと思うのは、

発車する際、
乗ったお客さんがちゃんと座ったかなど
バックミラーで確認してくれている。

そしてひと言
「発車しまーす」と告げてから走り出す。

バルセロナでは、
ドアが閉まった瞬間に突然発車する。

杖をついたおばあちゃんが
まだ座っていなくてもおかまいなし。

驚いたのは、
まだ全員降り切っていないのに
ドアが閉まりかけたとき。

びっくりした(笑)

これも慣れるもので、
今ではバスに乗った瞬間から
いつ動き出してもいい体勢でいる。

喫煙ルールの違い

日本のルール

ほとんどの場所で路上喫煙が禁止になり、
タバコを吸える場所が限られてきた。

しかし飲食店では
お店によっては店内で喫煙可能だ。

ファミレスでも喫煙席と禁煙席がある。

スペインのルール

路上喫煙は禁止されていない。
喫煙パラダイスだ。

外を歩いていると
歩きタバコの人がたくさんいる。

信号待ちでも隣の人が吸っていたり、
目の前を歩く人の煙を浴びることになる。

それからポイ捨てがとにかく多い。

しかも火を消さずそのまま。

名前のごとく、
吸い終わったらそのまま
ポイっと投げる。

これを日本でやってしまうと、
マナー違反になってしまうが、
こちらではもう日常の風景だ。

ただ、黄色い服を着た清掃作業員の方がいて
毎日のように道路を掃除してくれる。

ポイ捨てしても片付けてくれる人がいるので
うまくできているのだ。

路上はどこでも喫煙所みたいなもの。
灰皿は足元なのだ。

ただ、飲食店内では全席禁煙だ。
屋内ではタバコが吸えない。

ただ、ほとんどの飲食店はテラス席があって、
そこでは喫煙可能だ。

こちらの人からすると、
日本だと店内で吸えると聞くと驚くらしい。

異文化だ。

過剰なほどあるゴミ箱

日本では街中にゴミ箱がない。
基本的に持ち帰るのがマナーだ。

一方こちらでは、
外にいて
ゴミを捨てるのに困ることがない。

なぜならそこらじゅうにゴミ箱があるからだ。

花粉症の季節は特にありがたい。
どこで鼻をかんでも、
20メートル歩かずして
ティッシュを捨てることができるのだ。

交差点があれば、
4角すべてにゴミ箱があったりする。

交差点を渡る前でも渡った後でも、
ポイっと捨てられるのだ。
(短い横断歩道でも同じく)

横断歩道の両サイドにゴミ箱

こんなにもあちこちにゴミ箱があると
回収が大変なのでは?と思うけど、

実はそれが雇用を生んでいるのだ。

ちゃんと清掃員が回収してくれる。

家庭ゴミのルール

路上のあちこちに、
私の身長はある大きなコンテナのゴミ箱がある。

家庭ゴミは、
そのコンテナに
24時間いつでも捨てることができる。

5色のコンテナがあって、
5通りに分別して捨てる。

5色のコンテナ

灰色→ 一般ゴミ
黄色→ プラスチック
青→ 紙類
緑→ ビン類
茶色→ 生ゴミ

驚くのは瓶を捨てるときだ。

高さもあるコンテナなので、
瓶を中に入れると
「ガッシャーーン」とすごい音がする。

そして中で割れまくっている。
それでいいのだ。

あと、このコンテナのゴミを回収するのが
深夜だったりする。
(日中の場合もある)

収集車が巨大なコンテナを持ち上げて、
真っ逆さまにしてゴミを積み込む。

なんとも大胆で効率のいい回収方法。

しかし音がすごいのだ。
瓶のときなんてもう
割れまくる音が鳴り響く。

ゴミの捨て方も全然違う。

店員さんエピソード

今となってはたいていのことは驚かない。

ただ、最初の頃は
びっくり衝撃なことも多かった。

薬局のおばさま

最初の頃はカードを持っていなくて
現金で買い物をしていた。
(今ではほぼカードしか使わない)

薬局で買い物をしたときのこと。
支払いのときに小銭入れを漁っていた。

そしたら店員のおばちゃまが
私の財布に手を突っ込んで、
勝手にお金を取った(笑)

まだユーロとセントの感覚に慣れず、
少し時間がかかっていたから、
待ちきれなかったらしい。

別に盗まれるとは最初から思っていなかったので
構わないのだけど、
びっくりしたわ!

スーパーのおばさま

このときもまだ現金を使っていた。

スーパーのレジで支払いを終え、
1セントのお釣りを待っていた。

今のレートなら1.3円くらいの価値だろうか。

待てど待てどくれなかった。
次のお客さんの対応が始まった。

たったの1セントだったからだろうか。

言葉も通じないし、
まぁいいや、と思ってお店を去った。

誰かー!

たまに行っていた別のスーパーでのこと。
ここの店員さんは若い人が多くて、
明るいノリだ。

ある日、
商品を持ってレジに向かった。

店員さん誰もいなかった(笑)

仕方なく出てくるのを待っていたら
倉庫なのか事務室なのか、
私に気づいて
女性の店員さんが部屋から出てきた。

何か食べていた。
お腹が空いたんだねきっと。
モグモグしながら対応してくれた。

別の日は、
商品を陳列している店員のお兄さん。
店内のBGMに合わせて
ノリノリで歌ってた。

あとはよくみんな、
仕事中にめっちゃ盛り上がっている。

ここのスーパーの人たちは
とにかく楽しそうに働いている。

引っ越したので少し遠くなってしまって
しばらく行っていないが、
ここのスーパーの雰囲気は楽しかった。

なんというか、
仕事のオンとオフみたいなのが
日本ほどはっきりしていない気がする。

文化の違いだなぁとつくづく感じた。

子育て環境について

スペインで子育てをして感じたのが
とにかく誰もが小さな子どもに優しい。

電車やバスで、まず
「ベビーカーを畳んでください」
なんて絶対に言われない。

電車やバスやレストランなどで
赤ちゃんが泣いたり、
小さい子が騒いでも怒る人はほぼいない。

むしろ、
話しかけてくれたり、
ニコニコ笑顔を向けてくれる。

騒ぐ我が子を注意すると、
「子どもなんだからそんなもんよ!
そんなに怒らないの!」
と私が注意されて拍子抜けしたこともある。

私は東京でも子育てをしたが、
電車で少しでも赤ちゃんが泣くと
ため息をつかれたり、
露骨に車両を移動されたり、
ひどい時はベビーカーに体当たりされたこともあった。

駅のエレベーターは
待てど待てどいっぱいで、
何度見送っても乗ることができず、

たまに見かける優先エレベーターすら、
譲ってもらえなかった。

それが当たり前だと思っていたので、
こちらの子どもに対する優しさには本当に感動した。

これは他の日本人のお母さんたちも
口を揃えて言っている。

マナーを守ることは大事だけど、
小さな子どもや赤ちゃん、ママに対して
もう少し優しい国になるといいなぁと思った。
(もちろん優しい方もたくさんいるけど!)

スペインはとても子どもやお年寄りに優しい。
電車やバスでも、積極的に席を譲る。
小中学生の子どもも
当たり前のように席を譲るのをよく見る。

席に座るとついスマホに目を向けがちなので、
周りをよく見るようにしようと改めて思った。

まとめ

異文化に驚いたことは
まだまだ他にもたくさんある。

異文化といっても
日本とバルセロナしか知らない。

世界にはもっと
いろんなルールや文化があるんだろうなぁ。

今までなんの疑問も感じず、
当たり前だと思っていたことが
全然違ったりして、
最初の頃は戸惑うことも多かった。

今ではやっと異文化として
理解できるように少しずつなってきた。

日本の良さに改めて気づくこともあれば
バルセロナの魅力に気づくこともある。

当たり前を当たり前で終わらせるのではなく、
違った角度や別の視点を
持ってみることの重要さに気付かされた。

素敵だなと思ったバルセロナ文化は
日本に帰っても
忘れないようにしようと思ったのでした!






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ABOUT US

tomoe
1983年生まれ 山口県岩国市出身 共立女子大学を卒業後、 yab山口朝日放送 メ〜テレ(名古屋テレビ放送)に勤務 結婚を機に退社し上京。 2人の息子を出産後 2018年11月から夫の赴任に伴い スペイン・バルセロナ生活スタート。 ワインエキスパート資格取得(2008年) ボイスワークス所属