マスコミ、テレビ(制作)志望の人に伝えたいこと 「それは本当に事実なのか?」

一足早く情報を知っている?

当然ながら、
テレビ番組を制作するということは

放送される前からすでに
テレビ番組の内容を知っている

ということ。

ニュースであれば、
すでに原稿の内容を知っていて、
どんな映像が流れるかも
放送前に全て把握していることになる。

ということは、

テレビ番組の制作に関わっている人は
情報の最先端にいる、
ということなのだろうか?

さすがに
インターネットが普及している今、
そう思う人はいない。

逆にインターネットで得た情報を
あとからテレビが放送することも
増えてきた。

しかし、ひと昔前の
インターネットがここまで普及する前は、

「テレビで初めてその情報を知る」

という人が多かった。

多くの人が、
同じテレビを見て
同時にいろんなニュースを知る時代があった。

特に私が印象に残っているのは
大ファンの安室ちゃんが結婚、

というニュース。
テレビを見ながら
びっくりしたのを今でも覚えている。

もちろんスマホどころか携帯もないし、
当時はネットで知るなんていう方法ではなかった。

一斉に放送されるまで
ほとんどの人は情報を知らず、
テレビ関係者は
放送前にひと足早く知っていた、ということになる。

そしてテレビにより
みんなが同時に情報を知ることになる、

という流れだった。

インターネット・スマホの普及

YouTube、Twitter、Instagramなどなど、

今では一瞬で情報が広がる。

テレビがなくとも
情報が手に入る時代。

テレビの放送に対して、
反論することもできれば、
裏話も暴露できる。

放送の仕方が偏っていた場合、
それは違うよ!と
本人が主張することもできる。

時代は大きく変わった!

しかしひと昔前は今と違って、
極端に言えば
情報源はテレビが全てだったとも言える。

ではそうだと仮定して、

テレビの制作に関わる人は
本当に情報の最先端にいたのだろうか?

視野が狭まりやすい

いろんな情報が集中するテレビ局。

きっとテレビ局の人は
情報の最先端にいて
視野の広い人たちが集まっているのだろうと
勝手に思い込んでいた学生時代。

実際その世界に入ってみると、

逆にとても視野が狭くなることに気づいた。

(以下報道に絞って考えてみる)

専門的な役割が多い

例えば報道局の現場にいると、

それぞれの記者は
自分が担当したものの情報を持っているが、
そこに意識が集中してしまう。

報道局員は、
すべての人が現場にいるわけではなく、
指示したり責任者である人は
社内にいることがほとんど。

デスクと呼ばれる人は
記者の原稿を最終的に
チェックするという仕事があるし、
日々あふれる情報のすべてを
幅広く把握することは難しい。

意外と視野が狭くなりやすい。

視野が狭くなるとどうなるか

視野が狭くなることの
一番恐ろしいことは

「思い込みが強くなる」

ことだと気づいた。

これは、
現場を離れてからより気づいたこと。

もしかすると、
ずっと現場にいたら
気づかなかった可能性もある。

なので、

今回記事にしておきたいと思った。

思い込みが強くなる結果どうなるか

本来、報道は、

取材したことを元に
事実を伝える

べきである。

しかし思い込みが強くなった結果
何が起こるかというと、

自分が思い込んだことを
事実にしようとしてしまう

あえて極端にいうと
「捏造」が起こってしまう。

そしてこの捏造の恐ろしいところは

本人の自覚がない。
無意識に行われている。

ということだ。

記者(ディレクター)は正しく取材できているのか?

取材するとき、
まずは取材者は
「まっさら」である必要がある。

余計な先入観や思い込みを持ってはいけない。

取材をしながら、
根拠を元に事実を伝えるべきなのだ。

それなのに、
取材者個人の思い込みや
自分の中ですでにシナリオがあって、
それに沿った情報だけを
ただ集めようとしていることがある。

簡単にいうと、
自分に都合のいい、
自分の思い込みに合った情報しか
取り入れなくなってしまっている。

ひどい時は、
話が微妙に変わっている。

冷静な判断や
情報の取捨選択ができなくなる。

しかも無意識。
そのことに気づいていない。

激務で疲れているのもあるかもしれないし
とにかくそういうことが起こりやすい環境なのだ。

すべてではないが
そういうことが起こりやすい。

なぜ思い込みが生まれるのか

ずっとそのことだけを取材していると、
客観視することができなくなる。

例えば今でいうと、
コロナについてずっと取材を続けていると
そのことだけで頭がいっぱいになる。

寝ても覚めても、
コロナのことを考え取材していると、

これだけ取材しているのだから、
自分は詳しいだろう、
自分の情報は正しいだろう

という思い込みが生まれてしまう。

↑のではないか?
と私は感じた。

と同時に、

自分がその立場にずっといたら
そうなっていたかもしれない…

とふと思ったのだ。

無意識に誘導尋問していないか?

なぜ今回このような記事を書いているかというと
実際に私が経験した出来事だから。

以前、取材を受けたことがあり、

取材する側にいた経験もあったので、
私も気をつけて、
できるだけ事実をまんべんなく
伝えたつもりだった。

ニュースにするほどの
大した状態ではないかもしれない、
ということも伝えた。

それがいざ放送を見てみると、

編集をいう形で
偏った深刻な内容になっていた。

ニュースは深刻でなければならない

ニュースというのは
大きな問題でなければならない。

なぜなら、
問題が小さければニュースにならないからだ。

取材側は、
ニュースにするほどの
問題の「大きさ」が必要なのだ。

おそらくそのこともあり、

私が取材に答えた以上に
深刻な内容になっていたのだ。

びっくりした。

昨今、

「マスコミは恐怖を煽っている」

という意見も聞くが、

それに近いものを感じた。

そうでもしないと、
ニュースにならないのだ。

自覚しているかどうかが重要

視野が狭くなりやすいことを
自覚しているかどうか、

が重要だと思った。

・一旦離れた場所から
 客観的に自分を見られているか?

・ちゃんと取材対象を
 まっさらな気持ちで見ているか?

・先入観や思い込みがないか?

常に自分で自分を冷静に見ないと、

あっという間に偏った思考になりやすい。

それは多忙すぎたり、
ニュースとして問題提起をしなければならないという
報道の使命みたいなものがあったり、

環境のせいでもあると思った。

だからこそ、

一歩離れたところから
冷静に考える必要がある。

そのためには
「視野が狭まりやすいという自覚
が必要になる。

それがないと、
きちんと事実を伝えることはなかなか難しい。

気をつけないと、
偏ってしまうんだなぁと感じた出来事だった。

みんな気づいてきている

スポンサーという存在や

テレビには色々な制限があることなど、

多くの人はすでに気づいている。

今までは裏側だったテレビの側面が
表にどんどん出てきている。

そして生放送でない限り、
「編集」という形で
色んな伝え方に変えることができる。

だからこそ、
思い込みや独りよがりな結論にならないように
常に客観的な視点が必要なのだ。

そして、
ただ放送枠を埋めるという
単なる作業にせず、

何を伝えるべきなのか、
自分の取材したものは客観性があるのか、
よく考えて取材しなければいけない。

型にはめるのではなく、
事実を元に
形を作らなければならない。

という自戒も込めての内容でした!

わかる視聴者は
ちゃんと気づいている。

思い込みに気づかずに
走り続けると、
後々自分の信頼を失ってしまいかねない。

取材を受けた人

そんなつもりで取材に答えたわけではない!
そんなこと答えていない!
私が伝えたかったことと違う!
大事なところが伝えられていない!

↑こんなことになります。

そしてあまりに偏りすぎた
取材をしてしまうと、
取材対象者が責められてしまうことにも
つながってしまう。

そうならないためにも

「常に客観的な視点を忘れずに」
「誠実・謙虚であること」

以上
マスコミやテレビ制作、
報道現場で働きたい、
と思う方に
ぜひ伝えておきたいと思い記事にしました。

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ABOUT US

tomoe
1983年生まれ 山口県岩国市出身 共立女子大学を卒業後、 yab山口朝日放送 メ〜テレ(名古屋テレビ放送)に勤務 結婚を機に退社し上京。 2人の息子を出産後 2018年11月から夫の赴任に伴い スペイン・バルセロナ生活スタート。 ワインエキスパート資格取得(2008年) ボイスワークス所属