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メタ認知とは?
ここ最近耳にする
「メタ認知」
というワード。
初めて聞いたときに
すぐ調べて(ググって)みました。
そして少しずつ理解していくうちに
これはアナウンサーにとって絶対に
必要な能力だとすぐに思ったのです。
ひと言で表すと
自分のことを
客観的に見る能力
のことです。
ここでは詳細を飛ばすので
ぜひ調べてみてください。
(ググって!)
「メタ認知」というワード以前に
自分のことを客観的に見ることは
絶対に必要な能力だと思っていました。
私が、
一番と言ってもいいくらい
心がけていたのが
「常に自分を俯瞰すること」
でした。
メタ認知能力が必要な理由
メタ認知能力とは、
自分を俯瞰する
自分のことを客観的に認知する
という能力です。
なぜアナウンサーには
この能力が重要なのか?
①イメージが重要な仕事(不特定多数の相手がいる)
アナウンサーは人前に立つ仕事です。
テレビの向こうには、
何千人、何万人と視聴者がいます。
相手が多いということは
それだけ自分に対して
色んな見方をされます。
好かれることもあれば
嫌われることもある。
人から色々判断されることは
避けられません。
アナウンサーとして
視聴者に好かれることに
越したことはありません。
でも重要なのは、
好かれることよりも
多くの人に嫌われすぎないことです。
一部の人に嫌われるのは
避けられません。
どんなに人気者だって
100%の人に好かれることは不可能です。
ただ、
あまりに多くの人に嫌われすぎると
どうなるか?
イメージの悪いアナウンサーが出ると
チャンネルを変えられてしまいます。
テレビは多くのかたに
観てもらってナンボです。
そのためにはやはり
「イメージが大事」なのです。
視聴率がなければ
テレビは成り立ちません。
チャンネルを変えられてしまうほど
印象が悪いアナウンサーは
必要とされません。
ということはまず、
自分の印象(イメージ)を
把握する必要があります。
もし評判が悪いとしたら、
評判が悪いという事実だけでなくて、
なぜ、どのように悪いのか、
相手と同じ視点で
その悪い部分に気づき、
相手が感じたのと同じ感覚で、
感じられる感覚が必要なのです。
要するに
視聴者の立場で自分を見られるか?
ということです。
それができれば、
悪い部分を改善することができます。
むしろ自分を客観的に見ることができなければ
改善することは不可能です。
それが
「自分を俯瞰・客観視する」
ということです。
なんだかよくわからないけど、
自分の印象が悪いみたいだ、
という程度の理解では
改善の余地がありません。
第三者の目線で
自分を見ることで初めて
自分の印象を把握できるのです。
ここでしゃべると
ちょっとでしゃばりすぎかな?
とか、
今回はこういう立ち位置にいようかな、
とか、
常に客観的立場で
自分を見る必要があるのです。
②中立である必要がある
アナウンサーは
常に中立でいる必要があります。
その場を円滑に進める役割や、
調整役であり、
個人的な主張は求められません。
偏ったことを言う立場ではありません。
個性や主張が求められているのは、
ゲストの方やタレントさんや
専門家の方であり、
アナウンサーは
その方々の意見を伝えるために
存在しているのです。
そして
中立であるために必要なのが
やはり
「自分を客観的に見る力」
なのです。
「今自分は中立な立場にいるのか?」
を常に意識する必要があります。
他にも、
ロケでインタビューを
することがあります。
あるお店のご主人だったり、
研究者や専門家だったり、
通りすがりの方だったり、
子どもから年配の方まで
さまざまな人からお話を伺います。
そのときに、
聞き手の自分が
常に同じモードの自分だったら
会話が噛み合わなくなります。
・話すのが得意な人の場合は
聞き役に徹する、
・緊張して言葉が出ない人には、
話しやすい質問をしたり、
世間話をして緊張をほぐす、
というように、
相手が話しやすい聞き手になるように
自分をコントロールする必要があります。
相手が自分をどのように見ているか、
いい空気を作るには自分はどうあるべきか、
自分の立ち位置を把握するには、
自分を俯瞰して見ないと、
取るべき自分の行動が見えてきません。
③主観だけで発言してはいけない
そしてアナウンサーは
「言葉」を使って伝える役割があります。
その「言葉」というのは
あくまで道具であり、
全ての人が
一つの言葉に共通認識を持っているとは
限りません。
家族や親友など、
気心知れた仲間内なら
自分のことを理解してくれているので
誤解をされることも少ないです。
それが会ったこともない
不特定多数の人に対してとなると、
同じ言葉を使っても、
人によっては
真逆に捉えられることもあります。
相手や周りはどのように
自分の言葉を受け取るのか、
客観的に考えなければなりません。
同じ発言でも、
Aという捉え方をする人、
Bという捉え方をする人、
Cという捉え方をする人、
色んな捉え方があることを前提に、
どのような伝え方をすれば
自分の望む捉え方をしてもらえるのか
考える必要があります。
これは日常のコミュニケーションでも大事で、
違う捉え方をされると
誤解が生じることもあり、
最悪の場合は相手との関係が悪くなります。
自分の発言を
相手はどう捉えているだろうか?
これを常に考える必要があります。
そしてもし違う捉え方をされたと思ったら、
きちんと伝わるように
修正していく必要があるのです。
そのためにやはり
メタ認知能力を上げること=
客観的に自分の立ち位置を把握する
が必要なのです。
どうやってメタ認知能力を高める?
こればかりは
自分で意識をするしかありません。
まず
「自分は何もわかっていない」
という前提を持つことです。
謙虚になることです。
そして一番重要で、
メタ認知能力の有無の
分かれ目になるのが
気づくこと
です。
一番問題なのは、
自分が良くない印象を持たれたときに
「まったく気づかないこと」です。
メタ認知能力が著しく低い
=空気が読めない
ことと同じです。
空気が読めない人は、
自分がまわりから変な見方をされても、
全く気づきません。
気づかなければ
直しようがありません。
まずは
自分が変な印象を持たれたときに
そのことに気づくことです。
じゃあどうやって
気づけるようになるの?
それは、
周りの人に興味を持って、
よく観察することです。
とにかく色んな人と関わることです。
色んな人と関わるうちに、
・苦手な人、
・なんだか居心地の悪い人
・周りからも距離を置かれる人
・変わってるな…と思う人
なんだか違和感を覚える人が
必ず1人や2人は出てきます。
そのときに、
・なぜ違和感があるのか、
・なぜ苦手なのか、
マイナスなところを
しっかり分析するのです。
要するに、
反面教師にさせていただく(笑)
「こういうことは
してはいけないんだな」
と学ばさせてもらい、
同じことをしないように気をつけること。
わかりやすい
あるあるで例えると、
結婚式でスピーチの長い人や
話の長い校長先生。
この場合は、
自分を客観視できていない
(メタ認知能力が高くない)
パターンです。
客観的に自分を見ていれば、
長くなりすぎることはありません。
あとは、
相手の反応をしっかり見ることです。
表立って嫌な顔をされなくても、
一瞬、表情が曇ったり、
苦笑いだったり、
ふとしたときに気づけることがあります。
ごくたまに、
ストレートに言ってくれる人もいますが(笑)
恐ろしいかな、ほとんどの場合は
陰で言われて終わります…
・「自分は自分のことを
きちんとわかっていない」
と謙虚になること。
・周りから見た自分の印象を
意識すること。
・まわりをよく見て、
違和感を感じる人がいたら
反面教師にすること。
・相手の反応や表情を
しっかり見ること
メリット・デメリット
メタ認知能力を高めることによって、
メリットはもちろん、
デメリットもあります…
- 自分が何を求められているかわかる
- 自分の立ち位置を把握できる
- 相手にどう見られているか気づける
- 周りへの配慮ができる
- 信頼されやすい
- バランス感覚が身に付く
- ある程度の空気が読める
- 気を遣いすぎて気疲れする
- 周りを気にしすぎてしまう
- 自分を抑えすぎてしまう
- 自分基準でなく、
常に周りに合わせてしまう - 色々気づきすぎてしまう
- 自分がきちんとしていても、
相手のメタ認知能力が低いと、
通用しない
メタ認知能力は
絶対に必要だと述べたのですが、
残念ながらデメリットも感じました。
疲れます。
ストレス溜まります。
自分を見失いそうになります。
相手に嫌な印象を持たれると、
すぐに気づいてしまいます。
メタ認知能力を高める上で気をつけること
ここで大事なのが
バランス感覚
です。
偉そうに書いていますが、
私は全然完璧ではありません。
それに、
常に客観的に見たり考えたりばかりでは
とにかく疲れます。
さらに、
色んなことに気づきすぎてしまうので、
結果的にあれこれ気になりすぎて
疲れることもあります。
私が意識しているのは
スイッチのオンとオフです。
切り替えればいいのです。
仕事のときや
大勢の人と関わるときにはオン、
家にいるときや
気心が知れている仲間といるときはオフ
というように、
常に気を張る必要はないのです。
そしてときには、
自分がきちんと気遣いをしていても、
相手に理解されず、
自分が責められてしまうことだってあります。
自分の印象が悪くても、
「相手の理解が足りないことが原因」
というパターンもあります。
もしくは、
ただの「価値観の違い」
だけの場合もあります。
この場合は気にする必要はありません。
常に自分に原因があるわけではないので、
その見極めも必要です。
あまり考えすぎると、
人目を気にしすぎてしまうことにもなり、
自分を出せなくなるという
マイナスになることもあります。
メタ認知能力を高めつつ、
自分らしさを
失わないようにする必要があります。
だからバランス感覚が重要なのです。
やはり必要なメタ認知能力
それでもやっぱり、
人前に出るという仕事なので
アナウンサーという立場では
ある程度のメタ認知能力が必要です。
私の恩師の言葉があります。
「自分の鏡に自分は映すが
他人の鏡に自分を映してみなさい」
これは、
「自分のことを客観的に見る目を持ちなさい」
ということだと私は解釈しています。
メタ認知能力の有無は、
アナウンサーになったあと、
生き残れるかどうかに関わる
重要な能力です。
自分のイメージを知ることは
アナウンサーとして必要なのです。
イメージが悪くなると、
アナウンサーとしての仕事は
果たせなくなると言っても
過言ではありません。
視聴者の反応を直接知ることはできませんが、
仕事仲間、社内の人、友人といった
身近な人から知ることはできます。
そして、
人によってバラバラだということにも
気づけます。
アナウンサーというのは、
本当に神経を使う仕事なのです。
そのためにも必要なのが
メタ認知能力を高めることなのです。
今回は
私もまだまだ勉強中の
「メタ認知能力」についてでした!
①イメージが重要
(不特定多数が相手)
②中立である必要がある
③主観だけで発言してはいけない