前編では、
「なぜアナウンサーは
原稿をスラスラ読めるのか」
についてでした。
前編はこちら
後半は
・なぜアナウンサーの仕事の基礎が
「ニュースの原稿読み」なのか
についてです。
Contents
アナウンサーが読むニュース(前編の続き)
テレビ(ラジオ)のニュースの特徴
テレビやラジオで
ニュースを読むときに
アナウンサーに求められるのは
「1度聞くだけで伝わる読み方」
です。
なぜ1度聞くだけで伝わる必要があるのか?
それは、
テレビやラジオで
得る情報というのは
一瞬で消えてしまう
流れてしまうから。
新聞やネットニュースのように、
後からもう一回見よう、
ちょっと戻ろう、
ということができないのです。
なので、
1度聞くだけで伝わる読み方
を常に意識していました。
では、どうすれば
1度聞くだけで伝わる読み方ができるのか?
結論から言うと、
読むアナウンサーが内容を
きちんと理解しているかどうか?
です。
このニュースは何を伝えるものなのか?
をきちんと理解する必要があります。
文字を音声に変えるだけなら
AIでもできます。
AIが読むニュースと、
人間が伝えるニュース。
わかりやすいのは
ちゃんと内容を理解した、
生きた人間から伝えられる
ニュースのほうです。
ロボットが単調にずっと読む原稿は、
集中して聞き続けると疲れます。
内容を理解した人が伝ようとするニュースは、
AIよりもずっと伝わりやすいです。
テクニックより大事なのは、内容を理解すること
原稿読みには
ちょっとした方法があります。
ただこれは、
「テクニックとして使う」
というより、
内容を理解して読むと
「結果的にこの方法を使っていた」
という感じです。
伝えようとすれば、
これらの方法は自然と使っているはずです。
そのために絶対に必要なのが、
「内容理解」です。
内容が理解できないと、
テクニックも使えないし、
伝わりやすい読み方はできません。
内容を理解できたからこそ、
相手に伝わる工夫ができるのです。
常に聞く相手がいることを意識して
読むこと
いかに聞きやすいか、
いかに伝わるか、
聞く人を
思いやることが大事なのです。
聞く人を思いやる気持ちが、
伝わる読み方につながります。
そのためにはまず、
内容を理解することから始めます。
(どうやって内容を理解していくのかなど、
ニュースについてはまた別記事にします。)
難しく聞こえますが、
日常会話では
誰もがやっていることです。
自分が何を言っているのか
わからないまましゃべっていることは
ほぼありません。
日常会話で棒読みの人がいないのは
そういうことなのです。
原稿読みで棒読みになってしまうのは
内容を理解していない、
自分が何を伝えようとしているのか
わかっていないからです。
しゃべるときは必ず、
聞いてほしい!伝えたい!
わかってほしい!
という目的が必ずあるはずです。
ニュース原稿読みは
その延長にあるのです。
だから内容の理解が必要なのです。
そして、
原稿読みテクニックは、
内容を理解するからこそ
生かされるのであって、
ただテクニックだけ機械的に使うだけでは
伝わるニュースにはなりません。
アナウンサーの仕事全てにある「共通点」
アナウンサーの仕事で
必ず共通しているのは
聞き手がいて、
「伝える」という使命。
聞く人の立場を意識し、
わかりやすく的確に簡潔に伝えるのが
アナウンサーの役目です。
それがすべて凝縮されているのが
ニュース原稿読みなのです。
まとめ(ニュース原稿読みが基礎になる理由)
ニュース読みが
きちんとできるということは、
原稿の「文字」を
きちんと伝わる「言葉」に変えられる
ということでもあります。
中継リポートであろうが、
司会であろうが、
フリートークであろうが、
文字、情報を
「伝わる言葉に変える」
という作業が必須です。
・伝える内容をきちんと
整理・理解する力
・簡潔でわかりやすく伝える力
・なるべく短い時間で伝える力
・1度聞くだけで相手に伝える力
・伝えるのと同時に
頭では先のことを考える力
この力は
アナウンサーの仕事すべてにおいて
絶対に必要です。
口ではしゃべりながら、
視覚で別の情報を取り入れ、
頭では先のことを考えている。
アナウンサーの仕事はどんな仕事でも
・尺(時間)のこと、
・しゃべる内容、
・周りの状況、
・相手の反応など、
自分がしゃべる以外にも
同時進行で色んなことを考える必要があります。
これを身につけたのは
まさにニュースの原稿読みからでした。
ただ文字を読んでいるわけではないのです。
ニュース原稿読みには、
相手にわかりやすく伝える、という
アナウンサーに必要な要素が
すべて詰まっているのです。
しかも、
1度聞くだけで伝わる
という必要があるのです。
だから、
ニュースの原稿が読めるということは
アナウンサーの仕事の基礎になるのです。
この力は、
アナウンサーだけでなく、
コミュニケーションをとる上で
誰が身につけても絶対に損はありません。
得た情報を人に伝えるとき、
伝えたいことをきちんと伝えるとき、
必ず役に立ちます。
具体的な「ニュースの読み方」については
また別記事にします。
今回は、
アナウンサーの仕事の基礎は
ニュース原稿読みにある!
という記事でした!
・重要な言葉の前は間をとる
・内容が変わる前に間をとる
・文末に向かって高さを下げる
・大事な部分はゆっくり読む
・固有名詞はゆっくり読む
・お決まりの言い回しは早めでもいい