アナウンサー業務のすべての基礎が「ニュースの原稿読み」にある理由(前編)

「原稿読み」が基礎

私が学生の頃から
スクールで恩師に言われていたのは、

「アナウンサーの全ての仕事の
 基礎になるのが
 ニュースの原稿をきちんと読めること

ということでした。

「まずはきちんと
原稿を読めるようになりなさい」

といつも言われていたのですが、

実際にアナウンサーの仕事をしていく中で、
少しずつその意味が
理解できるようになりました。

この「原稿読み」が、
フリートーク、リポート、司会といった
一見まったく関係ないように見える業務の
基礎となっていたのです。

今回は、

なぜニュースの原稿読みが
様々なアナウンサー業務の

基礎になるのか?

ということをお伝えしていきます。

これはアナウンサーだけでなく、
円滑なコミュニケーションという面では

アナウンサーに限らず
どんな職業でもいえる基礎
ではないかと思っています。

日本人なら誰でもできる!?

ニュース原稿は

普段私たちが使っている
日本語で書かれています。

特別な難しい言葉もありません。

日本で生まれ育った人、
日本語を知っている人なら
小中学生でも読めます。

そんな日本語の原稿を読んで
アナウンサーはお給料をいただいています。

ということは、

原稿を読むって
実は簡単なんじゃない?
誰でもできるんじゃない?

と思いませんか?

しかし、
実際に声に出して原稿を読んでみると
結構難しいと思うのです。

知っているはずの日本語なのに、
なぜアナウンサーのように読むのは難しいのか…

なぜアナウンサーはスラスラ読めるのか

ニュース原稿をきちんと読むのは
かんたんではありません。

なぜ原稿読みは難しいのか?
なぜアナウンサーはスラスラ読めるのか?

スピードの差

原稿を声に出して読むには

以下のような
3つの段階があります

文章を声に出して読むときの3つの段階

①目から情報を仕入れ、
②脳で内容を理解し、
②声で伝える。

(視覚情報→内容理解→発声)

原稿を目にしてから
声に出して読むまでに

目→②脳→③声

という3つの段階を必ず通るのですが、
これには一定の時間がかかります。

このスピードが
アナウンサーは早いのです。

スピードが早いというのは
どういうことなのか?

細かく分けると、
特に速いのが
①→② のスピードです。

目で見てから脳で内容理解
のスピードが早い。

③の発声のときには
頭の中はすでに
次の行の①、②に移っています。

アナウンサーの頭の中

1行目を声に出しているとき、
目と頭(視覚と脳)は
すでに2行目、3行目、と
先に進んでいる

一方、

訓練をしていない人が
原稿を読むと難しいと感じる理由は、

目②脳③声
が同時進行だからなのです

訓練していない人の頭の中

1行目を目で追うのと同時に
1行目を声に出し、
1行目の内容を理解している

声に出すときに
スムーズに読めない理由、
棒読みになる原因は
ここにあるのです。

最初の私がまさにこれでした。

声が出ているか

以前記事にしたのですが

コミュニケーション力を高める上で、なぜ「発声」が大事なのか 

道具としての「声」が
きちんとメンテナンスされていることが
前提です。

原稿を読むのは、
腹筋を使うので、持久力も必要です。
私もブランクがあると
長い原稿を読むと息切れします。

発声発音の基礎が必要です。

他にもニュース読みで
アナウンサーがやっていることがあります。

(後編に続く)

後編↓

アナウンサー業務のすべての基礎が「ニュースの原稿読み」にある理由(後編)

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ABOUT US

tomoe
1983年生まれ 山口県岩国市出身 共立女子大学を卒業後、 yab山口朝日放送 メ〜テレ(名古屋テレビ放送)に勤務 結婚を機に退社し上京。 2人の息子を出産後 2018年11月から夫の赴任に伴い スペイン・バルセロナ生活スタート。 ワインエキスパート資格取得(2008年) ボイスワークス所属